生クリームのスポンジケーキ

私の人生、もとい人間の人生にとって親の占める割合はどのくらいなのだろう。

私にとって一番幸福な記憶は家族だ。まだ母が死ぬ前の、まだ私がなにも知らなかったころの記憶。

お母さんと布団を並べて寝た。寝る前にする他愛のない話が大好きだった。

お母さんと叔母の家へ夜に高速道路を通って向かった。暗くてネオンの灯る街はどこか私をワクワクさせた。

お母さんと行くデパートが好きだった。綺麗な洋服を買って美味しいものを食べて休憩した。

叔母の家でのクリスマスパーティーが好きだった。みんな色んな人が私におもちゃをくれた。お母さんと叔母は二人でケーキを焼いてくれた。クリスマスの朝、起きたらずっとトイザらスのチラシにのっていたのを眺めていたゲームボーイアドバンスのSPとポケットモンスターエメラルドのカセットがあった。


この幸福にしがみついて生きている。

私は、私はたぶん、結局は父のことを心から憎んだりなんか出来ないのだと思う。どんな嫌がらせや八つ当たりをされてもその場その場では「死ね」だとか「殺す」だとかいう感情が突発的に浮かぶ。それも嘘じゃない。ただすぐに許してしまう。それに父も甘んじる。地獄だ。

なにがあろうとも父を許さないようにと綴りはじめたブログだったが、そこまでして父に私の人生を捧げるのもまた、悔しいような気がする。