いい父親、悪い父親

 

親の病状もどうやら日に日に悪化しているらしい。(毎日「きつい」しか言わないのでどのくらいきついのかも分からないが)

だから最近はありとあらゆることを私に甘えてくる。

洗濯、掃除、料理。やったところで文句を言われるだけだし、やればやるほどつけあがって、尚「あれもこれも病人の俺にさせやがって」と注文が増える。“やってあげている”自覚しかないこの男は、私がこいつのオムツを替えたところでまた文句を言うだろうし、「ありがとう」の一つも言えないのだと思う。

 

他人に“してもらっている”自覚がない上に感謝もなく、それどころか自分の手間をかけさそる存在であり邪魔だ、と捉えているためか、父親は他人に対し上から物を言うし、礼も言えず、助けてくださいも言えない。

「なんで病人の俺がここまで頑張ってるのにお前は何もしないわけ?」みたいな、こういう回りくどいかつこちらのやる気を削ぐ言い回しをするのがうまい。よって友達が誰もいない。

「母さん、お茶」の極端なバージョンだと思う。ありとあらゆる事象が「お茶」の一言で済むと思っている。養ってやってる、家事をしてやってる、金を貸してやってる、などなど、自分が“してやった”ことは何にでもすぐ結びつけて恩を着せるのだが、何かをしてもらっている自覚が一切ないために常に他人に対して理不尽であるという被害者意識のようなものさえあるのだ。

しかも“してやってる”つもりでいるが、実際そんなにきちんとはしていないのだ。一週間に1、2回飯を作りあとは総菜やコンビニ弁当ばかり食わせているくせに、毎日毎日豪華な食事を食わせてやってる俺、に記憶が書き換えられている。

 

「面倒くさいんだよ、お前のこと何でもかんでもしてやるの」

と言われたが、じゃあ産むなよ、としか言いようがない。子供というのは情けない。本当に情けない生き物だ。与えられる側はこんなに何も出来ないのか。

ちゃんと親をしてくれ、という注文は傲慢なのだろうか?

親に感謝しろ、というのはどんな親でも適用されるのか?極端なネグレクト、暴力、それだけが虐待なのか?

 

 

親のことを考えると前にも書いた「親に感謝出来ない人間は心底軽蔑する」と言われたことも考える。

彼女は行動を起こせと言った。退学をし家出をし就職をし自分の足で生活する努力をして初めて親の文句を言えと、親の金で生活している間は何があっても文句など言うな、と。こういう考えがたぶん日本中に蔓延しているのだと思う。私もこのような環境じゃなかったら同じことを言っていたと思う。

DVを振るわれるなら離婚しろ、国の政治に文句があるなら国籍を変えろ、どうして被害を受けている側がいつも損をしなければならないのか。

 

夏休みが終わってしまった。美大進学が怪しくなってきたため普通科大学の進学も視野に入れ始めたが二足のわらじでどうにかなるのだろうか。

どちらからも逃げ続けている間に秋だ。本当に浪人は出来ない。焦っている。

楽がしたい。努力ができない。いつからこんなダメ人間になったのだろう。